海島構造で平滑かつ高強度な接着を実現する「超極細繊維状接着剤」 について
-
従来の繊維状接着剤は直径10~50 µmと太く、接着後に表面の凹凸が残りやすいという課題があった。
-
本技術では、ポリビニルブチラール(PVB)を海成分、ポリエステル(PET)を島成分とする海島構造の超極細繊維(島径1~2 µm)を開発。
-
熱プレス時にPVBが溶融して基材表面に均一に広がり、内部の極細PET繊維が補強骨格として作用。
-
その結果、薄く・平滑で・高剥離強度の接着層が形成される。
比較
海島構造(本技術) vs 芯鞘構造(従来)

【技術の効果】
-
接着層が極めて平滑 → 電子デバイス・光学用途での界面不良リスク低減
-
薄膜化・均一分散 → 軽量化と外観品質の両立
-
柔軟性と追従性 → 曲げ・衝撃に強い複合材接着
-
溶媒処理によりPET繊維が均一分散 → 多様な基材に対応可能
【技術のポイントまとめ】
- PVB/PET海島複合構造を世界で初めて繊維化
- 超極細繊維(島径1–2 µm)により平滑で強固な接着層を実現
- 軽量・高追従性が求められる複合材や電子部品分野に有用
想定される用途/実績例
- ICカード・電子デバイスの封止材
- 金属/樹脂複合材の接着(軽量構造体、車載パネル)
- 光学フィルムやディスプレイ層間接着
- 積層プリント基板や電子部品固定用の新型接着層
- 再剥離不要なラミネート・保護膜用途
基本情報
- 出願番号
- 特願2025-111275
- 研究者
- 信州大学 繊維学部 冨澤錬助教(出願時)
